アメリカのビジネススタンダードの一つに「成果主義人事制度」があります。世界的な人事コンサルティング会社ヘイグループが、第二次大戦後すぐに開発した手法です。「職務給制度」とか「役割給制度」も同じものです。日本でも2014年から本格的な成果主義を導入する会社が増えています。
ソニー、パナソニック、日立、サントリーなどです。MBO(Management Buy Out)をし、外資ファンドであるベイン・キャピタルが資本参加したすかいらーくは、ファンドの意見で成果主義を取り入れました。シャープは親会社となったフォックスコン(鴻海科技集団)の圧力で成果主義を取り入れました。
大きな責任が伴う職務には多く支払おう、逆に軽い責任の業務には少なく払おうという、ごく自然な考え方です。ヘイグループのノウハウを援用し、あなたの今の年収を算出してみましょう。あなたの仕事の「市場価値」が判明します。
課題1 あなたの仕事は、大卒程度の教育水準と専門的な知識・経験が求められる職業ですか
YES
NO
課題2 あなたの仕事は、どのようなマネジメント(経営管理)能力を必要としますか
1、目的や内容が決まっているので、部門内への影響について若干の注意を払えば済む
2、若干名の部下を持ち、他の職務を担当している部門への影響も考えながら、行動しなければならない(大企業の係長・課長クラス、中小企業の部長クラス)
3、多数の部下を持ち、同じような部門を統合して管理している。関連の他部門との調整も必要である(大企業の部長クラス、中小企業の役員クラス)
4、目的が違ったり、利害が対立する部門を、全社的な立場から統合して調整・管理しなければならない(大企業の役員クラス、中小企業の社長クラス)
5、全社を運営・管理しなければならない(大企業の社長クラス)
課題2-1 あなたの勤務先の規模は
1、大企業
2、中規模企業
3、小規模企業
課題3 あなたの仕事は、どのくらいのコミュニケーション能力を要求されていますか
1、礼を失することなく人と接することができればいい
2、社内外での交渉が多い。相手の性格や考え方を理解し、会話の中で相手に影響を与えられる能力が必要
3、上の能力に加えて、人の能力を引き出したり育成する高い技量が求められている
課題4 あなたの仕事は、自分で考えなければならない範囲が、どのくらいありますか
1、上司の厳格な監督下にあり、考える余地はない
2、決まったやり方に沿って作業すればよく、ちょっとした指示がある
3、仕事のやり方は決まっているが、手順に付いては自分で決めることができる
4、仕事のやり方や、どんな仕事をやるかについては自分で考える→課題4-Aへ
課題4-A あなたの仕事のやり方や活動範囲を縛るものは
1、課の方針や戦略
2、部の方針や戦略
3、事業本部、カンパニーの方針や戦略
4、全社的な中期経営計画など
5、ほとんどない
課題5 あなたの仕事の課題の難易度は
1、仕事の課題はほとんど変わらない。解決方法は限られた一定の中から選択している
2、仕事の課題はあまり変わらない。解決方法は過去の経験から選択している
3、仕事の課題は変化しており、過去の似た事例を用いることで解決している
4、変化に富んだ課題に、適切な分析や評価を下しながら、新たな解決法を模索している
5、未知の状況においても、創造的な発想、新しい概念や構想を打ち出しながら解決している
課題6 あなたの仕事は、どの職種に当たりますか
1、仕事の成果が測りやすく、個人で組織へ結果責任を負っている
2、仕事の成果が測りやすく、グループで組織へ結果責任を負っている
3、本来は仕事の成果が測りにくいが、決まった組織目的に沿って結果責任を負っている
4、仕事の成果が測りにくく、結果責任は軽い
5、仕事の成果が見えず、結果責任は負っていない
課題7 下の設問で当てはまる項目にチェックしてください
今の仕事と同じくらいの経験と知識がある専門分野がもう1つある
以下のような特別な人脈・信用力を持っている
経営状態が厳しい中でも、自らの人脈と信用力で危機を脱するだけの融資が引き出せる
会社の業績を大きく伸ばすような新規取引を結ぶことができる人的なつながりがある
1年以上の海外在住経験があり、英語力は高水準(TOEIC850点以上)に達している
英語に加えて、もう一カ国語が堪能に話せる
SE(システムエンジニア)並に、コンピューターの操作や構造に精通している
英語は挨拶程度しか話せない
電子メールを使いこなしていない
年齢が50~54である
年齢が55歳以上である
ここ1年間、健康診断や人間ドックを受けたことがない
業務に影響する可能性のある病気がある
あなたの市場価値=0万円/年
あなたの給与は、実際に貰っている給料と比べ、安すぎるとでましたか?あなたの会社はあなたを搾取するブラック企業かもしれません。逆に貰いすぎとでましたか?とすれば、会社が損をしているのかもしれません。
出てきた結果はかなり正しいのですが、答え方でかなりずれることもあり得ます。詳しくお知りになりたいなら、講座『キャリア開発』の『キャリアプランニング編』「第6部 時間単価の設定」をご覧ください。
「ひとは金のためだけに働いているのではない」といわれます。確かに金は、労働の一つの側面に過ぎません。しかし私としては「仕事に見合った公正は報酬を払え」と主張すべき職務も多々あると思います。悪平等は時代遅れです。講座『キャリア開発』で、ご自分のキャリアをデザインしてみてはいかがでしょうか。
以上
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2016年10月13日 第2版発行
著 者 佐久間陽一郎(C)
発行者 株式会社スキルアカデミー
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