ビジネススキル(目的スキル編)

第7部 ネゴシエーションスキル ~いやがる相手に“Yes”と言わせる~

著者:佐久間 陽一郎

「はじめに」
ネゴシエーションスキル。副題は「いやがる相手に“Yes”と言わせる」としてある。違和感を覚える方が多いのではないか。「ネゴシエーションなら“Win-win”でしょ」と思っておられるのだろう。しかし当講座では、“Win-win”ありきの姿勢はとらない。

日本人はネゴシエーションにおいて、世界一感情を表に出さず、世界一対立を避けるといわれる。ネゴシエーションの姿勢がナイーブなのだ。ネゴシエーションではタフさが必要だ。だから当講座では、「ナイーブではネゴれない。タフでなければネゴる資格はない」といっている。そこで副題も「いやがる相手に“Yes”と言わせる」としてあるのだ。

ネゴシエーションスキルを学問的に言語化した決定版がある。ハーバード大学の交渉学研究所が出版した『ハーバード流交渉術』という本だ。タフなポジションがとれたなら、あとはこの本から学べばいい。「原則立脚型交渉」と呼ぶ。その核心は、「人」と「問題」を分離するところにある。

タフでいて、原則立脚型交渉の“心”を理解するなら、あなたは立派なタフ・ネゴシエーターだ。

「目次」
はじめに
第1章 ネゴシエーションスキルとは?
ネゴシエーションスキルの定義/スキルの全体像での位置づけ/論理的思考力とファシリテーションスキルとの関係を明瞭に理解する/スキルを適時適切に使い分ける/この部のゴールを3つ設定する
第2章 “タフでなければネゴる資格はない”
政治・外交はネゴシエーションのガチンコ勝負の場だ/キャノンとゼロックスの特許紛争に見るネゴシエーションスキルの差/ネゴシエーションにおける姿勢の差/「ナイーブではネゴれない。タフでなければネゴる資格はない」/日本人は世界一感情を出さず、対立を避ける/“Win-win”の交渉ありきではダメだ!
第3章 原則立脚型交渉とは?
対立を解消する/『ハーバード流交渉術』/ハーバード流交渉術の“心”を理解する/「立場駆け引き型交渉」の欠点/「原則立脚型交渉」が正解!/原則立脚型交渉の“心”が理解できたか?
第4章 ネゴシエーションの4つのコツ
コツ1.BATNAを用意しておく/コツ2.事実より交渉相手の「頭の中」が重要だ/コツ3.感情を表出せよ/コツ4.ダブルペイオフマトリックスで論点を絞ろう
第5章 あなたのネゴシエーションスキルを伸ばす
目標は達成されたか?/あなたのネゴシエーションスキルのレベルは?/ネゴシエーションスキルを伸ばす「施策」は?/あなたが最初に取り組む施策を決めよう!/理解度チェックテスト/終わりに
補章 ビジネスネゴシエーションの現場リポート
日米2社間の技術契約改定の時期が近付いていた/技術契約の内容とプロジェクトチームの組成/われわれの基本姿勢と検討結果/A社のCTOに会う/そして大団円へ

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