講座『キャリアプランニング編』

第3部 動機と職務要件の大きなギャップを乗り越える

著者:佐久間 陽一郎

「はじめに」
「第2部 職務要件のプロファイリング」では、職務要件を測定し、動機と職務要件のマッチについて考えた。われわれは、動機と職務要件がマッチ――同期――するとき、思いもよらぬほどの力を発揮する。

新しい仕事に就いた当初は仕事がうまくいかないかもしれない。その時点で、動機と職務要件がマッチしてないかもしれないなどと気に病む必要はない。やがて乗り越えるだろう。われわれ凡人は、凡人だからこそ、その仕事から喜びを見出す可能性が高い。職業の選択において、われわれ凡人は柔軟性が高いからである。

あなたもまた仕事の中に幸せを見いだすようになるはずだ。ただ100%間違いないというわけではない。動機と職務要件の間に大きなギャップがあるなら、あなたに起こりうる副次的影響を考えておく必要がある。

大きなギャップがある場合、仕事がうまくいかない可能性が高まる。うまく行かなくてストレス状態に陥り、心に葛藤を抱え、うつ病を発症するかもしれない。最悪の場合、自殺に至ることさえもある。

最近の研究では、ストレスをわれわれの味方に付ける方法があるという。PTSD(心的外傷ストレス障害)でさえ、ひとをめざましく成長させることがある。ストレスが、動機と職務要件とのギャップに起因するのか、それ以外の原因によるのかを区別する必要がある。我々がこの部で興味があるのは、動機と職務要件とのギャップに起因するストレスをどう乗り越えるか、である。

さあ、あなたの動機と職務要件のマッチ度はどの程度か?また、マッチしていないとき、どのように乗り越えればいいのか?これが「第3部 動機と職務要件の大きなギャップを乗り越える」のテーマだ。
「目次」
はじめに
第1章 動機とマッチしない職業を選択すると
最悪のケースを見ておこう/若いサラリーマンの自殺:親和動機のひとが親和以外の職務要件を求められて/大企業の経営者の自殺:権力動機が必須なのにそれが弱かったとき/福祉施設の職員の場合:親和の職務要件なのに権力動機が強い/動機と職務要件のギャップがもたらすもの
第2章 あなたは精神的葛藤を抱えているか?
精神的葛藤が何に起因しているか?/あなたの精神的葛藤の程度を知る/あなたのプロファイルに関する確信度は?
第3章 動機と職務要件のギャップに対する対策
ギャップを埋める3つの対策/選択肢1:価値観を職務要件にマッチさせる/選択肢2:ジョブ・クラフティングを考える/選択肢3:配置転換を考える/理解度チェックテスト/「第4部 ビジョンの設定」のこと
補章 ストレスとどう向き合うか?
うつ病という社会問題/あなたのストレス状態をチェックしてみよう/うつ病だと思ったら?/ストレスを友達にする方法/「ストレスは味方だ」と思えば有用な効果が現れる/PTSD(心的外傷後ストレス障害)でさえいい側面がある/ハワード・シュルツ氏の場合:低迷からCEOに復帰して/スティーブ・ジョブズ氏場合:一度追い出されたアップルに戻って

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