第5部までで会計学習の言わば「ウォーミングアップ」が終わった。いよいよ本格的な会計の学習に入ろう。
会計を扱うとなると、どうしても財務諸表に関する知識が必要になってくる。あなたが財務諸表について知悉(ちしつ)していれば何も問題はないのだが、もしそうでないとすると、若干不安を感じるかもしれない。でも、余り神経質になる必要はない。
ところで、会計の話からは外れる話題だが、㈱コーエーに「信長の野望」という人気ゲームソフトがある。実は、私もこのゲームソフトのファンの一人だが、以前本屋の店頭でこのゲームを楽しむための所謂「攻略本」なるものを立ち読みしたことがある。ゲームの進め方が要領よくまとめられていて、実に興味深い思いをしたものだ。この「企業会計シリーズ」も会計という一見厄介なテーマに立ち向かう時の「攻略本」の一種だと考えてもらえば結構である。だから、細かいところはなるべく他の「会計本」に任せて、ここでは会計を理解・マスターする際の「勘所」を中心に話を進めることにする。
この部では所謂「財務3表」と呼ばれている会計の書式について説明しよう。