日出ずる国の復権

「アジアの世紀」を主導するシナリオ

著者:山下 義通

eブック概要
電子出版に寄せて

佐久間陽一郎
株式会社スキルアカデミー

山下義通氏が2007年4月5日にダイヤモンド社から上梓した『日出ずる国の復権』が、スキルアカデミーで蘇ることになった。副題は「『アジアの世紀』を主導するシナリオ」である。

日出ずる国の復権
  出展:アマゾン

『日出ずる国の復権』には、日本の奇跡的な再繁栄の長期シナリオが具体的に、分かりやすく描かれている。長期予測といっても初版から約7年ぶりの復活である。書かれていることの四半分は既に現実として起こっている、もしくは起こりかけている。残りの三分の四が果たしてこの本の通りに実現するかが問題だ。

21世紀はアジアの世紀だという。そしてそれは「モノ作り」の世紀でもあるという。短小軽薄などでない、正に「モノ作り」の時代がアジアでこれから始まる。著者は、日本がこのような新しい時代をリードすることが可能だというビジョンを提示する。地に着いた、実現可能なビジョンである。50年という視野で、技術の重要性を俯瞰的に理解し、「構想」として日本という国家のビジョンを提示した、類まれな本といえよう。

ソフトバンク孫正義社長の去年(2014年)9月の発言はインパクトがあった。「断言します!日本のモノ作り産業が競争力を取り戻せる日は二度と来ない!」というのだ。「日本が復活するチャンスは、アジアを中心とした第二次IT革命(モバイル)に滑りこむことが、日本復活の最後のチャンスだ」という。『日出ずる国の復権』で山下氏が描く姿とは真逆のシナリオである。あなたはどう思われるか?こんなことを考えながら『日出ずる国の復権』を読まれては如何か。

経営は、短期的で分析的な思考(ものごとを細かく細分化し理解する思考)だけでは駄目だ。また、長期的には当たるも当たらないも分からない。経営に重要な視点は、中期的で概念的な思考(ものとものをつなぎ合わせ新しい概念を紡ぎだす思考)だ。中期的には、ほぼ間違いないシナリオが描き得る。

中期的で概念的な思考によって、自社の中期シナリオを描き出すには、質の高い長期シナリオに触れるのが良い。読みながら自社の中期的な経営環境、経営戦略を考えるのである。『日出ずる国の復権』は、こういう意味で、最適の書といえる。楽しんで読んでいただければと幸いである。

平成27年1月31日
著者略歴
山下 義通東京大学工学部卒業。三井物産を経て米国ボストンの技術系シンクタンクのアーサー・D・リトル(ジャパン)社長、米国本社副社長、マサチューセッツ工科大学顧問、早稲田大学客員教授(戦略経営、技術経営)、21世紀産業戦略研究所所長を経て、内閣府総合科学技術会議専門委員、産業構造審議会等各種審議会委員等歴任。産業界の指導的有識者グループと日本の将来を考える戦略ビジョングループ「イノベーション戦略会議」「重点技術産業競争力委員会COCJ」を主宰。現在イノベーション戦略研究所所長、立命館アジア太平洋大学客員教授。

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