講座『能力のプロファイリング編』

第4部 価値観のプロファイリング

著者:佐久間 陽一郎

「はじめに」
能力の氷山モデルで、一番下に位置する動機。無意識の奥底にあることを示している。動機は幼少期に形成され、経年による変化は乏しいと考えられている。動機の上に位置するのが価値観だ。価値観は動機と異なり、あなたが変えようとすれば変えうる。前の部の動機のプロファイリングに続き、この部では、動機の対(つい)概念である価値観のプロファイリングを行う。

動機はあなたの本性である。ただそれは無意識の中にあり、捉まえることが難しいと述べた。一方価値観はあなたの意識の中にあるので、捉まえることは容易だ。

あなたが常に、強く、「真から好きだ」「したい」と思えることが動機である。あなたが常に、強く、「重要だ」「必要だ」「べきだ」と考えていることが価値観だ。微妙な差ではある。ただ両者は本質的に似て非なるもので、両者を区別して考えることが重要だ。動機を「『たい』こと」、価値観を「『べき』こと」と対比して覚えたらどうだろうか。

動機は幼少期に形成される。価値観はひとが社会活動をするとともに、社会から教育され、強化されていく。むき出しの動機は、価値観によって抑制され、よりよい社会活動を可能にする。

日本人の多くは動機と比べて価値観が強く、価値観で行動していると考えられている。特に会社に入ってしばらくは、会社のルール、すなわち会社の価値観にしたがって行動する。そして年と共に自分の動機が(この言葉を知らずとも)分かってきて、動機を大切に生きるようになる。

さあ、あなたの価値観はどのようなものだろう。そして前の部で暫定的に明らかにしたあなたの動機とどのように違っているだろうか。両者の差を知ることは、必ずあなたのキャリアプランニングに生かされる。

「目次」
はじめに
第1章 価値観とは?
まず準備運動を/価値観の定義/価値観は環境により変遷するマクレランドによる3つの価値観/動機と価値観を区別する
第2章 あなたの価値観を特定する
あなたの価値観を測定する/あなたの能力を定期的に見直そう
第3章 動機と価値観を深く理解するための2つのケーススタディ
ケース1:私の場合/動機と価値観を区別することで得られること/ケース2:電機メーカーを勤めあげたA男の場合/「いじられ役」と「寡黙で孤独を愛する男」の二面性の源泉は?/行動から動機を推認することはできないのではないか?/だれがあなたの動機を知っているか?
第4章 動機と価値観を見直そう
動機と価値観を区別して理解できたか?/あなたの動機をひとに聞いてみよう/理解度チェックテスト/「第5部 職務要件のプロファイリング」のこと
補章1 日本人には動機がないという考え方
欧米社会の「自分」/デカルトのコギトはキリスト教の産物/知的権威を批判する立花孝の姿勢に学ぼう/知性を磨く、権威を疑う/欧米の神は今なお生きている/日本の神は曖昧な存在/日本社会の「自分」/「人間」は「世間」であり「人」である/なるべき早く動機について考えだすべきだ! 
補章2 呉音と漢音について
司馬遼太郎に教えてもらった/呉音と漢音を知っておくと大変便利だ

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