第2部では「経営会計」に対する私なりの「7つの基本イメージ」を取り上げた。また、この7つのイメージをそれ以降どう展開するかは、経営会計を導入・活用しようという企業側の方針や考え方次第であることにも言及した。
確かに㈱村田製作所の場合も、この7つの基本イメージには含まれない手法や会計スキル、例えばABCやEVAなどが使われている。
7つの基本イメージについて、これをどこまで拡大するかといっても、やみくもに拡大しても何ら意味がない。そこには何のために、どういう目的に利用するかが明確に意識されているべきである。
実は、私は先述した日本工業大学技術経営大学院では、「経営会計基礎」講座以外にもうひとつ「MOTのための価値経営」という別講座を立ち上げて、前者の講座ではカバーしきれないテーマやジャンルを取り上げるとともに、経営会計の実践に関する私の考え方を学生諸君に披露することにしていた。つまり、7つの基本イメージだけではどうしても消化不良は免れなかったわけである。
この辺りを考えながら今回は、「経営会計」についてちょっと別の角度から光を当ててみよう。第1部、第2部の内容を受けての「経営会計序論」の総まとめである。