第1部「公務員の職場環境」では、さまざまな矛盾を抱えた制度の中にある公務員の姿をお伝えした。中には諦観を抱いた人がいるかもしれない。やるだけ無駄じゃないか、それならば、などと考えた人がいるかもしれない。しかし、そうではない。そういった環境にあっても具体的に成果をあげ、楽しく仕事を成し遂げた公務員はたくさんいるのだ。諦めれば、今のままでしかない。それでよいのか、あなたは決してそう思ってはいないはずだ。
既にあなたは第2部で公務員の置かれている環境がそう楽なものではないことを知った。のんびりと茹でガエルになる訳にはいかないのだ。また、第3部では能力の全体像も理解し、知識やスキルだけではない能力要素、例えば価値観や動機、あるいはコンピテンシーも必要なことを知った。知識やスキルよりも深いところに潜んでいる能力要素も重要なのだ。では、どうしたら成果をあげることができるか、だ。この第4部では、楽しいかどうかは別にして、追い詰められた環境の中でも、具体的に成果をあげ、仕事を成し遂げた事例を取り上げる。そして、なぜそれができたのかを、能力を構成する価値観の視点から探ってゆく。能力とは何か、価値観とは何かを明確にわからずとも問題はない、第3部でその入り口はわかったのだから、あとは講座を読み進むごとにおいおい理解が深まるだろう。