この部では、通常の公務員生活において、どうしたら具体的な成果をあげ、楽しく仕事を成し遂げられるかを、一般職員(スタッフ)という立ち位置から考察する。ここで言う一般職員とは、大小を問わず組織のトップではない立場、通常は主事から主査あたりの職階を指す。その対語が管理職(リーダー)であり、これは大小を問わず組織のトップである立場、通常は係長、課長、部長を指す。組織によっては、室長、事務局長、局長なども含まれるだろう。従って、一般職員にはその行動を管理監督する上司(管理職)が存在し、その掣肘下にあり、自ら組織のルールを定める立場にはない。
それでは、ある市役所へ勤めたCさんの事例を二つ見てみよう。時系列として見ることができるので、Cさんの能力の履歴を窺い知ることもできるだろう。なお、第4部同様にCさんが発揮したと思われる能力要素を と( )書きで示してある。そして、Cさんの事例を分析する中から、一般職員にとって欠かせないコンピテンシーとスキルを最後の章で考えてゆく。おそらく、多くの読者にとって共感できるものとなるだろう。