企業会計番外編

第4部 「マトリックス会計」とは

著者:宇野 永紘

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「はじめに」
この春先から、ある面白い本にはまっている。
アメリカ人の友人に薦められた"Burn Math Class"(「数学の教室なんか燃やしてしまえ」)といった過激なタイトルの本だ。アマゾンで調べてみたら、日本語訳も出ているようだが、こちらでは『1から学ぶ大人の数学教室』(冨永星訳、早川書房)といったマジメなタイトルになっている。2年前にアメリカで話題になった本だというが、著者はJason Wilkesというカリフォルニア大学サンタバーバラ校の大学院生(数学、心理学専攻)で、まだ若い人のようだ。兄貴が数学で悩んでいる高校生の弟や妹に冗談をはさみながら、語り掛けているような軽妙な語り口の本である。 私の場合、まだ全体の4割ぐらいまでしか読み進んでいないので、本全体についての読後感を語ることはできないが、アメリカの高校生(日本の高校生とて事情は同じだろう)が苦労する「微分」や「積分」について、従来の数学教育のやり方を痛烈に批判しつつ、「こんな風に考えたらどうだろう」、「こんな理解の仕方もあるよ」、といった調子のユニークな内容になっている。

著者のWilkes君に言わせれば、「高校の数学の教師はわけのわからない公式ばかり覚えさせるが、あんなものを暗記する必要はない」、「日常的、常識的考え方(彼はこれを"Everyday Concepts"と呼んでいる)をベースにして論理的な考え方を進めてゆけば。『ピタゴラスの定理』も証明できるし、アインシュタインの『相対性理論』も理解できる」と言うのだ。「君自身の数学」を創り出せ("invent")、というのだ。
"Everyday concepts"であの難解な相対性理論を理論が説明できるとは恐れ入るしかないが、これは、難解な数学理論に今までにないユニークなアプローチを試みて「わかりやすく」かつ「常識を働かせて、考えよう」というスタンスだ。

では翻って、あの難解な「会計」にこういうアプローチを持ち込むことはできないのか?
今までこういったスタンスで「会計」に取り組んだ例はなかったのか、と思いを巡らしていたら、たまたま、「マトリックス会計」という実にユニークな会計手法に出くわした時の記憶がよみがえってきた。今からおよそ40年前、ある意味、「目から鱗」で、私自身の会計に対する考え方に多大な影響を及ぼした手法である。
今回は、この「マトリックス会計」の話をしてみたい。あなたの会計観にも少なからぬインパクトを与えることになるかも知れない。
「目次」
39年前のある出来事
ユニークな「構造」
実際に数字を入力してみよう
「マトリックス会計」とは
日常の経理処理に使えるか?
どう活用したらよいか?
「マトリックス会計」は会計の「数学回帰」
補記.1
補記.2

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