企業会計番外編

第13部 「決算」について

著者:宇野 永紘

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「はじめに」
 3月決算企業の経理スタッフは、現在、一年中で一番忙しい季節を迎えていることだろう。彼らには心から「ご苦労様」と言いたい。

 私自身は「駆け出し銀行員」2年目の春、都内のさる支店で「計算係」という支店の経理全般をあずかる業務に携っていたときに「決算実務」の末端にふれたことがある。しかし、本格的な決算プロセスを経験したことはない。その後、シンクタンク勤務時代に企画部がまとめた決算案を取締役会で審議・検討したことが何回かはあるものの、決算実務そのものに本格的に関わったことはない。だから、正直、決算実務がどんなふうに行われているのかに関しては、実際には「シロウトの域」を出ない。

 「決算」ともなると、企業の経理部やそれに類する部門でこのプロセスに関わる人たちは時期が時期だけに場合によっては、「ゴールデンウイーク」期間中にも出社して働かなければならなくなることになる。「まったく、盆と正月が一緒に来たような有様で、ゴールデンウイークなんてここ数年、楽しんだことがありません。おかげで家族からは大ブーイングです」と、クライアント先の経理責任者がこんな「恨み節」を口にしていていたのを思い出す。コンピュータを活用した経理事務が普及した今ではこんなことはないのだろうが、それでもこの時期、3月決算企業の経理スタッフは相当に忙しい筈だ。

 前回の第12部では「期間損益」の話とそれにまつわる「クマのミミ」や「簿記の必要性」の是非について言及した。企業の「期間損益」は「決算」をしないと確定しないし、「クマのミミ」だけが決算処理というわけではなく、ほかにも重要な処理過程がある。例えば、「減価償却」や「引当金の繰入れ」もこのプロセスに中で行われるし、法人税や消費税を計算して計上するのも、決算処理業務の一環として行われる。しかし経理担当としてこのプロセスに直接関与しない一般のビジネスパーソンにとって「決算」は何やら「謎めいた」ものにしか見えない。ただし「簿記」の知識があるとこうした「謎」も「謎」ではなくなってくる。その意味では、「簿記」を知ることにはそれなりの意義があることになる。

 ビジネスパーソンとして知っておくとよいと思われる「決算」業務のエッセンスをまとめてみよう。つまり、「試算表」や「棚卸表」をベースにしてP/L,B/Sが作成されるまでのプロセスを辿ってみることにする。
「目次」
「決算」とは
「決算」が分からないと・・・・
「簿記」における「決算」の説明
「試算表」は万全ではない
「棚卸表」も「決算」の大事な出発点
「精査表」を使う
何故、「決算処理」が必要になるのか
「試算表」には反映されていない要素に関わる決算処理
決算シミュレーション
決算整理事項
「棚卸減耗損」と「商品評価損」
「税額」を計算する
最終利益と利益剰余金残高

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