中小製造業にとって、Whoレベルの戦略を考察する際、最も役立つツールが価値連鎖分析です。貴社が生きている産業セグメントで、貴社が顧客企業に提供している価値は何かを分析する手法で、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授の考案によります。

 産業の中での立ち位置が明確化されれば、Whoレベルの戦略である自社の使命や中心的価値が何かは、自ずと明らかになってくるはずです。  

ただ、思いはあっても、言葉で表現することに難儀するかもしれません。まずは、時間を掛けずにともかくは言語化し、本講座を読み終えたあとで、この部にもう一度戻ってくるなら、言語化はずっと容易になっているはずです。

根本的問いとしての｢我々はそもそも何者なのか？｣／製造業と価値連鎖の考え方／中小製造業の価値連鎖／サービスとは？／製造業と製造サービス業／高付加価値製造サービス業と低付加価値製造サービス業／統計上の第二次産業、第三次産業は無意味

 （1）ブランド製造業／コンセプト開発をするのがブランド製造業／ユニクロは製造業か？ （2）EMS (Electronics Manufacturing Service)／EMSは大きなトレンド／EMSの３つの成功条件と日本企業が太刀打ちできないわけ （3）最先端ニッチEMSもしくはMMS（Mechanical Manufacturing Service）／最先端商品の少ロット生産受託業者の成功条件／日本市場はなくならないのか？ （4）製造設備リース業 （5）製造員派遣業 （6）エンジニアリング受託業 （7）エンジニア派遣業 価値連鎖分析で自社が「何者か？」を問う

 ビジョンを考える／ビジョンとは｢使命｣と｢中心的価値｣／おわりに