第5部では、役割に基づく目標管理が、自分と部下の仕事のマネジメントツールとして活用できることを学んだ。そして、「役割無くして目標無し」という言葉の意味もしっかりと理解していただいたことと思う。
さて、第6部は、本講座の最終回である。部下の仕事のマネジメントを締めくくる意味で、役割の達成度合いを評価する。目標は、第5部の目標設定の方法に従って、しっかりと設定する。実は目標がしっかりと設定されていれば、評価はギャップ測定だけであり、実に簡単なこととなる。そもそも、評価の仕方が難しいというのはおかしな話である。評価の時に、なんとかこの部下の点数を上げるために、点数の逆算をしているなどと言うことを、良く耳にする。これでは仕事のマネジメントからは外れてしまう。
役割に基づいた目標管理で、自分と部下の役割の達成度合いを評価する。その中で、役割に基づいて、部下と仕事のコミュニケーションを深め、さらに次の年の目標を考えてゆく。このサイクルこそ、仕事のマネジメントであり、現場で使える唯一のツールと言っても過言ではない。
最後に、会社の人事評価制度との関係を考えておく。あなたは、すでに仕事のマネジメントツールを手に入れて、役割を基に部下と仕事を進めてゆく。しかし、会社には会社の、人事評価制度がある。せっかく役割を基に目標を立て、その達成度合いを評価したことが、会社の人事評価に反映できないのでは、二度手間になるだけでなく、使わなくなってしまう危惧さえある。できる限り、仕事の結果を人事評価にも反映してゆこう。