誰でも使えるマーケティング・リサーチ(イノベーション編)
第4部 ニーズを明らかにするリサーチ
著者:三留 修平
- 「はじめに」
- 第2部で、人間中心設計(HCD)プロセスとリサーチの体系を示した。このプロセスに従って、リサーチを進めていく場合、ユーザーが本当に求める商品やサービスを探し出したり創り出したりして、ユーザーの真の要求事項を明示することが、重要な要素となる。第4部では、そのためのリサーチとしてペルソナ/シナリオ法を紹介する。
豊富な事例を基に、ペルソナ制作の進め方、更にペルソナが豊かな情感を持って行動するさまをシナリオとして展開することにより、利用状況が明らかになる事を示す。シナリオを生き生きと発展させ、商品やサービスの開発につなげるためには、イノベーションを含んだアイデアが具体的に生まれやすいようにまとめる必要がある。課題や問題があたかも既に解決している状況を行動シナリオとして記述することにより、真のニーズがビビッドに読み取れ、そこから求められる機能が浮かび上がるさまを具体的に示す。
シナリオを描くことによりアイデアは浮かんでくるが、手法として着実に進めるための一つのツールとして、「利用状況分析シート」を紹介する。これを用いて分析を進めることにより、イノベーションを含んだ解決策が自然と生まれ出てくる様子を示す。ペルソナはできたが、それから何をどうするのかという問いを聞くことが多いが、ここでは最終的な解決策に結び付くまとめ方とその結果を示している。手法としての用い方を身に着けていただき、実践に取り入れて大いに役立たせていただくことを期待している。
- 「目次」
- はじめに
第1章 ペルソナの作り方
ペルソナ/シナリオ法の基本/B2Bの事例/B2Cの事例
第2章 イノベーションを生み出すシナリオの書き方
書き方の違いによる比較/システム開発の事例/行動シナリオ
第3章 シナリオから新商品/サービスへ
多機能プリンタのインターフェース事例/アイデア発想の事例をあてはめると
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