誰でも使えるマーケティング・リサーチ(アナリシス編)
第2部 サプリメントに関する消費者データを分析する
著者:牛澤 賢二
- 「はじめに」
- 消費者心理は複雑である。したがって、それを明らかにするためのアンケート調査の項目も必然的に多岐にわたることになる。売る側からすると、何故、その商品が選ばれたり選ばれなかったりするのかを知りたい。
第2部では、タイで実施されたサプリメントの消費動向を調査分析した論文を引用しながら、複雑な消費者心理を分析して、商品選択の理由を明らかにするための手法を紹介する。具体的な統計的手法として、主成分分析、判別分析、ロジスティック回帰分析が適用される。各章の内容は以下のとおりである。また、第1部と同様、具体的なデータを用いて、Rの使い方も解説する。
第1章では、消費者の健康に関する日常生活の行動や商品選びの注目点などの複数の質問項目を要約して、少数の本質的な項目を抽出する主成分分析について解説する。次元縮小のための方法とも言われている。
第2章では、サプリメントを摂取する消費者と摂取しない消費者を識別する手法として、判別分析を解説する。判別のために、1章で抽出された主成分が利用される。方法論を詳述するために別のデータ(出店計画のデータ)も用いられる。
第3章では、サプリメントの摂取確率を予測する方法としてロジスティック回帰分析について解説する。ここで使われている変数は、性別や収入などのいわゆるデモグラフィックな変数である。方法論としては、第1部の重回帰分析と2章の判別分析の中間的な手法である。
補章は、1章から3章までに解説した統計手法に関して、Rを利用して実践する方法を解説しながら、各章の補足的説明も行う。分析用のデータとして、2014年プロ野球打撃成績、文献からの引用データなどを用いる。第1部と同様、解説例はWeb上のフォルダからダウンロードして実践できる。
- 「目次」
- はじめに
第1章 消費者の意識を主成分分析で要約する
調査事例の概要/主成分分析とは/主成分の意味/主成分の求め方/主成分分析のポイント/事例による主成分の解釈/主成分分析の補足
第2章 消費者意識とサプリメント摂取の関係を判別分析する
判別分析とは/判別分析の方法とポイント/サプリメントの摂取の有無を判別する
第3章 消費者の属性とサプリメント摂取の関係をロジスティック回帰モデルで分析する
ロジスティック回帰分析とは/ロジスティック回帰分析のポイント/サプリメントのロジスティック回帰分析
補章 Rの使い方の例
分析用データ/主成分分析/判別分析/ロジスティック回帰分析
<< eブックへ戻る