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コーチング研修で何が得られるのか?目的や種類、得られる効果などを踏まえて自社に合った選び方を解説!

コーチング研修で何が得られるのか?目的や種類、得られる効果などを踏まえて自社に合った選び方を解説!
  1. コーチング研修の概要
  2. 代表的なコーチングの種類
  3. コーチング研修の目的と得られる効果
  4. コーチング研修を選ぶポイント
  5. おすすめのコーチング研修会社
  6. まとめ

近年、マネジメントの一環でコーチングを取り入れている企業も多くなりました。まだ馴染みのない方は、研修に参加してコーチングを専門的に学ぶことをおすすめします。

とは言え、コーチング研修を通してどのような課題を解決できるのか、どのような研修を受ければいいのかなど、わからないことも意外と多いはず。

本記事では、コーチング研修を探している方に向けて、コーチングの基礎知識やコーチング研修の期待できる効果や適切な選び方まで紹介します。コーチング研修を正しく選び、正しく活用して、自社の課題を解決しましょう。

コーチング研修の概要

コーチングとは、対象者の目標達成に必要な知識やスキル、ツールをコーチとの対話で棚卸しすることにより、それらを対象者個々人に合わせて個別対応で備えさせるプロセスを指します。コーチングは、対象者の自発的な行動を促すために有効な手段です。

コーチングの立ち位置

本章では、コーチングと他の指導法の違いやコーチングの適切な対象者を解説していきます。

ティーチングなど他の指導法との違い

コーチングがティーチングと異なる点は、対象者の自発的な行動を促すことが目的となる点です。コーチングは、対象者との対話を通じて目標を明確化します。その後、目標達成までのプロセスも明確にすることにより、対象者が主体性をもって目標達成することを可能にします。一方で、ティーチングは生徒と教師の関係に立ち、目標達成する方法やスキルを対象者に教授する指導法です。

また、コンサルティングは対象者が抱える過去の問題に焦点を当て、問題の新たな解決法を提供する指導法です。対象者の主体的な行動を促すコーチングとは、大きく異なります。対象者が抱える過去の問題に対して新たな捉え方を与えるカウンセリングも、コーチングとは異なる指導法と言えるでしょう。

コーチングが機能する対象者

コーチングが機能する対象者は、目標達成のために必要な知識・経験を持っているが、なかなか成果を上げられずにいる人です。理由としては、コーチングを通してモチベーションを高めたり維持したりすることによって、本来持っている知識や経験を活かして、自発的な目標達成が実現可能だからです。

一方で、高いモチベーションを持っていても、目標達成に必要な知識・経験が不足している人はコーチングが機能しにくいでしょう。理由としては、知識・経験を獲得しない限り、目標達成はできないからです。そういったケースにおいては、ティーチングによって必要な知識や経験の獲得を優先するべきでしょう。

コーチングで得られる効果

コーチングを通じてどのような効果が得られるのでしょうか。
本章では、コーチングを通して獲得できる効果を説明していきます。

対象者に新たな気付きを与えられる

1つ目の効果は、対象者に新たな気付きを与えることです。なぜなら、対象者と対話・質問を繰り返すことによって、異なる視点の思考を促せるからです。

新たな気付きを得るための具体的な仕組みの代表例として、「オートクライン」が挙げられます。オートクラインとは、自分で発した言葉を自分の耳で聞くことによって、今まで気がつかなかった自分の考えを認識できるといった意味があります。対象者がコーチとの対話の中で、自分の言葉で話したことで、これまで気づかなかった新たな自分の考えを発見できるような仕組みです。

また、「ジョハリの窓」も自分を知ることによって自己理解を目指す概念です。
ジョハリの窓は自分自身の特性を、下記4つの窓で分類して考えます。

  • 開放の窓:自分も他人も知っている自己
  • 盲点の窓:自分は気づいていないが、他人は知っている自己
  • 秘密の窓:自分は知っているが、他人は気づいていない自己
  • 未知の窓:自分も他人も知らない自己

コーチとの対話を通じて、盲点の窓や未知の窓のような自分が知らない自己について新たに発見でき、対象者に新たな気付きを与えられます。

コーチングには、研究に基づいたさまざまな効果があるため、マネジメント職を担う社員がコーチングを習得していくことでメンバーに新たな気付きを与え、主体的に成長や成果創出ができる組織に近づけます。

対象者の主体性を促進する

2つ目の効果は、対象者の主体性を促進することです。コーチングを通じて、対象者が問題解決に向けて主体的に行動できる状態になります。なぜなら、コーチングは対象者にスキルを一方的に与える指導方法ではなく、対象者自身の意思決定によって問題解決を促す指導方法だからです。結果として、対象者は自己決定を習慣化することにより、主体性を持った人材へ成長できるでしょう。

前提として、対象者の主体性を引き出すためには、コーチが対象者と信頼関係を築いていることが必須です。なぜなら、信頼関係を築けていない状況でコーチングを実施した場合に、対象者の本音を聞き出せないため、効果的なコーチングを実施できない可能性があるからです。

対象者が本当に解決したい課題や目標、行動を見つけられる

3つ目の効果は、対象者が本当に解決したい課題や目標、行動を発見できることです。なぜなら、コーチングは対象者に対して未来に関する質問を投げかけることにより、対象者の課題や目標探しに焦点を当てた指導方法だからです。また、対象者が自分で目標や課題を発見することによって、他人が設定した目標や課題よりも、本当に解決したい課題や目標を設定できるでしょう。

一般的に、目標は以下の3種類に分けられます。

1つ目は憧れの目標です。憧れの目標とは、達成できたらいいなと考えてはいるが、達成するための具体的なプランや行動が伴わない目標を指します。憧れの目標の特徴は、達成することが現実的に難しい点です。将来海外に住みたい、宝くじを当てたいなどが挙げられるでしょう。

2つ目はしなければならない目標です。しなければならない目標の特徴は、目標を達成できなかった場合にマイナスな状況へ追い込まれてしまうことです。たとえば、上司から指示されたしたくない仕事が挙げられます。したくない仕事であっても、放置していると上司からの評価は下がってしまうでしょう。

3つ目は真に達成したい目標です。真に達成したい目標とは、対象者が心から達成したいと望んでいる目標を指します。真に達成したい目標の特徴は、目標を達することによって対象者の人生にとってプラスな状況を作り出せることです。たとえば、対象者が心から憧れている職業に就くことが挙げられます。対象者は憧れの職業に就いた後、仕事を通じて自己実現できる自分を想像したり、安定した生活を送る自分の姿を思い描けるでしょう。

コーチングを通じて、対象者は真に達成したい目標を見つけることが期待できます。

代表的なコーチングの種類

本章では代表的なコーチングを3つ紹介します。自社にどのコーチングを導入すべきか、考えてみましょう。

エグゼクティブコーチング

エグゼクティブコーチングとは、組織の経営者や管理職に向けたコーチングです。つまり、組織の中で他者に対して大きな影響を持つ方がコーチングの対象者になります。エグゼクティブコーチングの目的は、組織の成長や業績向上のため、必要なスキルや考え方を身に着けることです。

行動コーチング

行動コーチングとは、対象者の行動に焦点を当てたコーチングです。対話を通じて対象者の目標を定め、目標達成に向けた行動計画を対象者とコーチが共同で作成します。目標を設定するため、はじめは対象者の内面的な価値観に焦点を当てた後、具体的な行動を対話により考えます。

メンタルコーチング

メンタルコーチングとは、対象者の心理的な課題に対して焦点を当てたコーチングです。多くの対象者は、マイナスな感情や思考に縛られることによって、目標達成に向けた行動に移せないケースがあります。そのため、対象者の目標達成を妨げる心理的な課題に対応できるメンタルコーチングは重要です。とくに経営者や管理職の方にとっては、役立つスキルと言えるでしょう。

コーチング研修の目的と得られる効果

この章では、コーチング研修の目的と得られる効果について紹介します。
叶えたい目的や効果とマッチしているか確認しましょう。

営業パーソンのスキルアップ

1つ目の効果は営業パーソンのスキルアップです。その理由は、コーチングを取得することによって主体的な対話や質問が可能となり、顧客とのより良い関係構築を実現できるためです。また、顧客の要望も正確に把握できるようになり、成果に結びつきやすい提案が可能になるでしょう。したがって、コーチングを学ぶことにより顧客の立場に立ちつつ、成果を出せる営業パーソンへ成長できます。

管理職やマネジメント層のスキルアップ

2つ目の効果は、管理職やマネジメント層のスキルアップです。なぜなら、コーチングを取得することにより、部下の自発的に考える力を育てて、主体性を引き出せるからです。また、部下が秘めている可能性も引き出せるでしょう。すなわち、コーチング研修を通して、管理職やマネジメント層のマネジメント力や部下への指導力を伸ばすことが可能です。

組織力開発につながる

3つ目の効果は、コーチングが組織力開発につながる点です。なぜなら、コーチングを通して人と人との「価値あるつながり」を作り出せるからです。ここでは、互いの生産性を高めるために情報や刺激を与え合う関係について価値のあるつながりと呼びます。コーチングは対象者の目標達成のために、コーチが働きかけるコミュニケーション手段です。つまり、コーチングをお互いに行うことによって、価値あるつながりを形成できます。結果として、組織力開発へつなげられるでしょう。

コーチング研修を選ぶポイント

それでは、どのようにコーチング研修を選べばよいのでしょうか? 本章で紹介するポイントを抑え、自社に合うコーチング研修を選びましょう。

コーチングの種類や流派を確認する

1つ目のポイントは、コーチングの種類や流派を確認することです。なぜなら、コーチングの種類や流派によってアプローチ方法が異なるためです。コーチングの研修の目的を明確化することにより、どのコーチング研修を選択すべきかわかります。したがって、コーチング研修を選ぶ前に、コーチング研修を導入する目的について整理することが重要でしょう。

研修の目的が自社の課題に合っているか確認する

2つ目のポイントは、選択するコーチング研修の目的が自社の課題に合っているか確認することです。つまり、自社課題の解決に最適なコーチング研修を選択する必要があります。なぜなら、コーチング研修の種類によって解決できる課題は異なるからです。たとえば、対象者の生み出す成果を向上させる目的のコーチング研修もあれば、対象者の心理的な課題解決に焦点を当てたコーチング研修も存在します。したがって、自社の課題を分析したうえで、適切なコーチング研修を選びましょう。

実施方法が自社に適切な方法か確認する

3つ目のポイントは、実施方法が自社に適切な方法か確認することです。近年リモートワークの企業も多く、リモート形式での研修が可能かといった、開催場所や時間などの条件は研修によって異なります。また、複数人でのワーク形式、1対1の形式、講義形式等、コーチング研修の種類によって実施方法は異なります。コーチング研修を選択する際は、自社にとって適切な実施方法であるか確認することが重要です。

実施会社や講師の実績で確認する

4つ目のポイントは、実施会社で講師の実績を確認することです。なぜなら、過去に研修を実施した実績や、成果を生み出した実績がある会社・講師は信頼性が高いからです。したがって、コーチング研修を選択する際は、十分な実績があり信頼できる会社・講師を選択しましょう。とくに自社と同じ業界の実績が多い会社・講師を選択することで、業界理解やよくある問題などを把握した上で研修を行ってくれるでしょう。

おすすめのコーチング研修会社

コーチ・エィ

1つ目はコーチ・エィです。コーチ・エィはコーチング型マネジメントを提唱しています。プロの講師から1対1で、理論化されたコーチングスキルを学ぶことが可能です。国際コーチング連盟の資格を持ったコーチが多数在籍していることが特徴です。

一般社団法人 東京コーチング協会

2つ目は一般社団法人 東京コーチング協会です。国際的な視野で本物のコーチングを提供しています。コーチングの正しい知識普及だけではなく、コーチの社会的地位向上に力を入れていることが特徴です。

株式会社インソース

3つ目は株式会社インソースです。株式会社インソースのコーチング研修は、理論を伝えることではなく、部下育成・指導といった実務に役立たせることをゴールとしています。なお、コーチング研修を受講する会社の状況・課題に応じて、研修内容をカスタマイズできます。そのため、より効果的なコーチング研修を受講することが可能です。

スキルアカデミー

3つ目は株式会社スキルアカデミーです。スキルアカデミーの研修では、受講者が研修で学んだ内容やスキルを、実際のビジネスの現場で使うこと(定着)を目標としています。e-learning教材を使用して効率よく知識を獲得し、実務における課題を取り扱った体験学習の時間を増やすことで定着率を格段に高められます。

まとめ

この記事ではコーチング研修の基礎知識をはじめ、期待できる効果やコーチング研修を選ぶポイントについて紹介してきました。最後に要点をおさらいしましょう。

  • コーチングの最大の特徴は、対象者の自発的な行動を促す点。
  • 自社の課題を明確化することにより、適切なコーチング研修を選択できる。
  • コーチング研修は個人のスキル向上だけではなく、組織力向上にもつながる。

この記事を読み終えた皆さんは、コーチング研修の基礎知識を獲得できています。まずは、コーチング研修で解決したい自社の課題を整理することが重要です。そして、適切なコーチング研修を選び、自社の課題解決を目指しましょう。

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記事監修

前田 正彦(まえだ まさひこ) 株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO
前田 正彦(まえだ まさひこ)
株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO

慶應義塾大学経済学部卒業。米国マサチューセッツ工科大学経営大学院(Sloan School of Management)修了。株式会社前田・アンド・アソシエイツ代表取締役(現職)。
株式会社NTTデータにて金融システムの開発に携わった後、 数々のコンサルティングファームにて、戦略立案から実行・定着までのプロジェクトを数多くリードしてきた。
その後人事・組織コンサルティングの必要性を痛感し、当該分野のプロジェクトを立ち上げ、戦略から人事・組織コンサルティングまで一貫したサービスを提供している。
スキルアカデミーにおいては、代表取締役CEOとしてAI人事4.0事業全体の推進をリードするほか、組織・人事・人材開発などの案件を数多くリードしている。
また組織診断・管理特性、職務等級制度・成果報酬制度などツールを開発。グローバル人事プロフェッショナル組織であるSHRM認定資格を取得。

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