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【5分で解説】360度評価を失敗させず評価の公平性を高める6つの実践法

【5分で解説】360度評価を失敗させず評価の公平性を高める6つの実践法
  1. 360度評価とは
  2. 360度評価の失敗事例
  3. 360度評価の失敗によって起こり得ること
  4. 360度評価の失敗要因
  5. 360度評価を成功させるためのポイント
  6. まとめ

「従業員数の増加に伴い、評価に客観性・公平性がより必要となった」「360度評価に興味はあるものの、失敗は避けたい」などの悩み・課題を抱えている企業もあることでしょう。

客観性・公平性を保ち、また従業員からの納得感を高めるために有益な人事評価制度としては、「360度評価」が挙げられます。
しかし、360度評価は人材の育成に有効な手法の1つである一方、導入後に失敗をしてしまう企業が一定数存在することも事実です。
なぜ、360度評価において失敗してしまうのでしょうか?
また、360度評価を最大限活かす形で導入するには、どのような施策を講じればよいのでしょうか??

本記事では、360度評価の失敗事例や要因、導入を成功に導くポイントについて解説します。本記事を参考にすることで、360度評価の導入で失敗する可能性を下げられますので、ぜひ最後までご覧ください。


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360度評価とは

まずは、近年導入が進んでいる「360度評価」がどのようなもので、導入の目的は何なのか、失敗しやすいという通説は本当か…について紐解いていきます。

360度評価の概要

360度評価とは、1人の上司だけでなく、同僚や部下などさまざまな立場から評価をおこなってもらう評価制度です。

立場の異なる人達が多角的な観点から1人の人物を評価することで、直属の上司だけでは気付けなかった、社員の強み・弱み、特徴などが把握できるようになります。
360度評価は、公平性と客観性を保つのに適した評価制度といえるでしょう。

通常の評価制度では、「上司からどう見られるか」「上司とどのように良好な関係を築くか」といったことに焦点が当たってしまいがちです。

一方で、同僚や部下からも評価される360度評価では、社内のあらゆる人達といかに良好な関係を築くのか、仕事を円滑に進めていくのか、といったことを意識するキッカケにもなります。

社内の関係構築や社員のモチベーション向上にも一役買うため、360度評価制度を導入する企業が増加しているようです。

360度評価の目的

360度評価の主な目的としては、以下の4つが挙げられるでしょう。

  • 公平性・客観性を高める
  • 納得感を高める
  • エンゲージメントを向上する
  • 個々の社員の特性を掴む

360度評価では、上司だけでなく同僚や部下からも評価を受けます。また、複数人からの評価により、被評価者に関する多くのデータ取得も可能です。
被評価者をより多面的に理解し、客観性の高い評価をすることが、目的の1つといえるでしょう。1人の上司だけで評価をするよりも公平で客観的な評価がされやすくなることで、部下の評価に対する納得感を高めることも期待できます。

社員のエンゲージメント向上も、360度評価の目的であり利点です。複数人からの評価を通じて、社員は「あらゆる立場の人々が自分をしっかりと見て理解し、評価してくれる」という感情を抱くようになります。
その結果、自己肯定感の向上が見込まれるでしょう。周囲の人々に対する安心感や信頼感も育まれることで、エンゲージメントの向上にも繋がります。

個々の社員の特性を掴むことも、360度評価の目的です。上司と部下という限られた関係性の中では見えてこなかった被評価者の側面が浮き彫りとなり、個々の社員の特性が明確になります。社員一人ひとりの特性を明瞭に把握できるようになることで、本人に的確なフィードバックを伝えられるようになり、自身の課題を改善していきやすくなるでしょう。

360度評価は失敗しやすい?

360度評価が失敗しやすいかどうかは、どのように導入・運用するのかによります。

360度評価を取り入れることによって組織の課題が改善された企業もあれば、かえって別の問題が生じてしまった企業や、導入後の変化が見られなかった企業もあるでしょう。組織力向上を目的として360度評価を採用しても、失敗してしまう企業も一定数存在するのが実情です。思ったような効果が出ず、結局廃止してしまった企業も少なくありません。

360度評価が失敗に終わる大きな要因としては、「JND(Just Noticeable Difference:最小可知差異・丁度可知差異)」に基づいた運用がされていないことが挙げられます。

JNDとは、違いを認識できるか、できないかの境目となる差異を指す言葉です。標準となる感覚刺激を対象として、そこからはっきりと違いを識別できる最小差異を示します。JND値よりも値が大きければ大きいほど違いは分かりやすくなり、小さければ小さいほど多くの人はその違いに気付けなくなります。

このJNDを基準とした評価制度が確立されていなければ、評価者による評価基準のズレが生じたり、曖昧な評価や主観的なフィードバックになる可能性が高まります。そのため、客観性を高め公平な評価をしようと360度評価を導入したにも関わらず、被評価者の納得度が下がってしまう事態を招きかねません。

通常の評価制度よりも多くの人物から評価される360度評価においては、失敗した際の損失は大きく、特に人間関係においては深刻なダメージを残してしまう可能性もあるでしょう。


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360度評価の失敗事例

360度評価の失敗事例としては、以下が挙げられます。

  • 社内の人間関係が悪化してしまった
  • 社員の納得度とモチベーションが低下した
  • 成果が一切感じられなかった
  • 評価の一貫性が保てなくなった

それぞれの詳細を見ていきましょう。

社内の人間関係が悪化してしまった

360度評価では、上司だけでなく同僚、部下とも相互に評価するため、評価制度の前提条件が整っていない場合、評価の内容によっては人間関係が悪化してしまうことがあります。

360度評価では、上司・部下に関係なくフラットな状態で複数のメンバーから評価やフィードバックを受けることになりますが、必ずしも好評価を得られるとは限りません。適切な前提条件やフォローが設けられていない場合、好ましくない評価を受けたときに、被評価者はその評価を下した相手に対して悪い感情を抱きやすくなります。ひいては、職場の人間関係の悪化につながってしまうこともあるでしょう。

また、本来の360度評価を理解しないまま評価制度のみが走り出してしまうと、被評価者が良い評価をもらおうと相手に対して忖度したり媚びを売ったりといった行動に出てしまうケースもあるようです。
このような状態では、健全なコミュニケーションは取れなくなってしまいます。

社員の納得度とモチベーションが低下した

360度評価の失敗事例としては、導入当初の狙いに反して社員の納得度・モチベーションが低下してしまったケースも挙げられます。

とくに同僚や部下からの良くない評価に対して不快感を抱きやすく、評価への納得度と仕事へのモチベーションが低下してしまうことも考えられるでしょう。

360度評価が先述のJNDに基づいて設計されていない場合、評価者の主観が評価に反映されやすくなります。被評価者が良い評価を得られると思って起こしたアクションが、思わぬ低評価につながってしまい、モチベ―ションが下がってしまうことがあるのです。

また、JNDの原則に基づいていない評価制度では、評価のバラつきが大きいことから、評価結果に納得感が持てなくなってしまうことも招きます。そのような状況下では、仕事への意欲も低下してしまうでしょう。

現場への負担が大きくなってしまった

導入によって現場への負担が大きくなってしまうことも、360度評価につきまとう問題点です。

360度評価は複数の人物で多面的に評価する制度であるため、評価者も被評価者も、他人を評価する機会と自身が評価される機会が以前よりも多くなります。
また、評価項目や設問を数多く設けている場合には、一つひとつの評価に手間と時間がかかってしまいやすくなるでしょう。

こうした評価作業工数の増加は、現場への負担を増やしてしまい、本来注力すべき重要な業務がおざなりになってしまうことがあります。

成果が一切感じられなかった

360度評価を導入しても、思ったような成果が得られずやめてしまうケースも少なくありません。

360度評価は、多面的な評価をおこなうだけで評価が完了となるわけではありません。多面的な評価をおこない、その結果をフィードバックする必要があります。その後、フィードバックを基に社員の行動を改善させ、改善した社員を再び評価する、といったサイクルを繰り返しおこなわなければなりません。

このサイクルの中で、効果が出る前に「成果が一切ない」と判断してやめてしまうケースが少なからずあるようです。

こうした問題の要因としては、短期的な視野でしか考えられていないことが挙げられるでしょう。特に、能力を評価項目として設定した場合、短いスパンで効果が出るものではありません。そのため、長期的な運用を視野に入れて取り組んでいくことが大切です。

フィードバックが適切でない場合や、被評価者自らが改善に前向きでない場合においても、失敗につながってしまうことがあります。
これも360度評価に限ったことではありませんが、取り組み方法や制度の形式に改善の余地がある以上、そうした課題に対策を講じていくことが必要です。

評価の一貫性が保てなくなった

評価する側の人間が大きく増えたことによって、評価の一貫性を保てなくなってしまうことも、360度評価の失敗例として挙げられます。

360度評価では、被評価者1人に対して、多数の人物が評価をおこないます。評価者がそれぞれの立場・主観で評価を下してしまうことによって評価に大きなバラつきが出てしまい、評価の一貫性を保てなくなってしまうことがあるのです。

この失敗事例も、JNDに基づいた設定がなされていないことに起因します。


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360度評価の失敗によって起こり得ること

360度評価を導入したものの適切に運用できなかった場合、次のようなデメリットが生じるおそれがあります。

  • 良くない評価を受けた社員が必要以上にショックを受けてしまう
  • 上司が部下の顔色を窺い適切な指導ができなくなる

それぞれの詳細について解説していきます。

良くない評価を受けた社員が必要以上にショックを受けてしまう

360度評価を適切に運用できていないことで、良くない評価を受けた社員が必要以上に落ち込んでしまうことがあります。

上司、同僚、部下とさまざまな立場から忌憚のない評価・意見を集める360度評価においては、その評価内容が社員の心理状況に少なからず影響を及ぼすことがあるでしょう。JNDでの評価レベル設定ができていない場合、悪い評価・批判ばかりでフォローを受けていない社員は、必要以上にショックを受けてしまいやすくなります。
周囲からの率直な意見を受けた社員は、自信やモチベーションの低下を引き起こす可能性も考えられます。最悪の場合、人間関係を理由に退職に至ってしまうケースもあるかもしれません。

ただしこうした問題も、JNDに基づいた評価制度の設計ができていれば、起こり得ないといえます。

上司が部下の顔色を窺い適切な指導ができなくなる

部下が上司を評価することもある360度評価では、上司が部下からの評価を上げようとして顔色を窺い媚びたり、厳しい指導をしなくなったりする可能性があります。

低い評価を恐れて適切な指導ができなくなれば、部下の成長も望めなくなり、人材育成の失敗につながってしまいやすくなるでしょう。


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360度評価の失敗要因

組織を良くしていくためには、曖昧な評価基準を明確にすることも大事です。

  1. 実施の目的が曖昧である
  2. 社員への周知・浸透ができていない
  3. フィードバックとフォローが適切でない
  4. 評価項目・設問が多すぎる

詳しく見ていきましょう。

要因①|実施の目的が曖昧である

実施の目的が曖昧では、360度評価が失敗しやすくなってしまいます。

実施目的が明確でないと、本来の目的からピントのズレた評価やフィードバックをおこなう評価者が出てきやすくなるためです。

社内全体で足並みを揃えて評価できるような目的設定や仕組み作りができていなければ、そのような事態に陥りやすくなります。
失敗を避ける上では、360度評価の運用目的を明確にすることが大切です。

要因②|社員への周知・浸透ができていない

社員への周知と浸透が万全ではない状態で360度評価を始めてしまうと、失敗につながりやすくなります。

360度評価の実施意図や目的、評価基準、どのようにおこなっていくのかなどを、全社員に対してしっかりと周知・浸透させなければ、360度評価での成功は難しいでしょう。

必要な情報が社員に伝わりきっていない場合、社員ごとの360度評価に対する理解度や実施の質にムラが生じ、評価にバラつきが出やすくなります。手間と時間だけかかって効果が出ないだけでなく、人間関係の悪化に発展する可能性もあるでしょう。

こうした問題を防ぐため、360度評価に関連する情報をしっかりと社員に周知・浸透させていく必要があります。

要因③|フィードバックとフォローが適切でない

360度評価を運用するにあたっては、フィードバックとフォローが適切でないことも失敗要因の1つとなり得ます。

評価をおこなうだけで満足してしまい、その後のフォローやフィードバックを丁寧に実施していなければ、360度評価の目的の1つである「社員からの納得感」は得られません。

厳しい評価を受けただけで適切なフォローをされなかった被評価者は、必要以上に落ち込み、業務にも支障が出てきてしまうことでしょう。

また、適切なフィードバックがおこなわれない場合、評価自体が意味のないものとなってしまいます。その結果、社員の成長が妨げられ、人材育成の失敗につながってしまう可能性が考えられるのです。

これは360度評価だけでなく、全ての評価制度にいえることでしょう。評価を実施する際には評価するだけで終わらせず、フィードバックとフォローを適切かつ丁寧におこなっていく必要があります。

要因④|評価項目・設問が多すぎる

評価項目・設問が過剰に設けられていることも、360度評価における失敗要因の1つです。

JNDに基づいた設計ができていない場合、評価項目や設問が多ければ多いほど、評価者による評価のバラつきも大きくなってしまいがちです。

評価項目や設問が多ければ評価者の負担も増してしまい、評価することに対してのモチベーションや本業への意欲が低下してしまう可能性もあるでしょう。


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360度評価を成功させるためのポイント

360度評価を成功させるためのポイントは、次のとおりです。

  1. 客観的な評価ができる評価レベルを定義する
  2. 社員への周知と運用は長期的な目で見て慎重におこなう
  3. フィードバックとフォローを丁寧におこなう
  4. 評価項目・設問は少なめに設定する
  5. 360度評価結果に基づきPDCAを回す
  6. 360度評価はトリム平均を用いる

それぞれ解説していきます。

ポイント①|客観的な評価ができる評価レベルを定義する

360度評価の導入前には、実施目的・JNDに基づいた評価レベルを明確にすることが重要です。
実施目的と評価レベルが明確になれば、主観を排除した客観的な評価をすることができます。主観を排除した客観的な評価をすることができれば、ガイドラインや研修などがなくても全社員が取り組めるような評価制度となるでしょう。

そのため、何のために360度評価を導入するのか、どのような基準でおこなうのか、どのような方法で実施するのかなど、細かく定義していきましょう。

また、運用途中で迷った際などにすぐ確認できるような目的設定と評価レベル設定を意識すると、運用時の利便性が高まります。

ポイント②|社員への周知と運用は長期的な目で見て慎重におこなう

前項で定めた実施目的やJNDに基づいた評価レベルを社員一人ひとりにしっかりと周知することも、360度評価の運用において大切です。

評価制度の効果が出るまでには、非常に時間がかかるものです。すぐに答えを出そうとせず、長期的な運用を視野に入れるようにしましょう。

周知する際には、評価基準や方法、フィードバックの仕方などを丁寧かつ細かく説明することが重要です。人材育成や人事評価への納得感を高めるために360度評価が必要である旨を、しっかりと伝えましょう。

メリットだけでなく、注意点についても共有しておくことが大切です。360度評価は手間や時間がかかること、すぐに効果が出るものでないことについてもしっかりと周知し、「長い目で見ることが大事」という認識を社員全員に持ってもらう必要があります。

とくに、コスト管理・成果に厳格な上層部には、導入にあたって時間と費用面でコストがかかることをしっかりと共有することが重要です。十分な共通認識が持てていない場合、「想像よりもコストがかかる」「話と違って成果が出ていない」などの理由で、360度評価の運用中止につながってしまう可能性も考えられます。

社員全員が評価者となる360度評価では、多くの時間を割いてでも徹底的に社員への周知をおこないましょう。

ポイント③|フィードバックとフォローを丁寧におこなう

360度評価においては、フィードバックとフォローも非常に大切なポイントの1つです。
社員一人ひとりに対して、フィードバックとフォローを丁寧かつ適切に実施しましょう。

評価を伝えるだけで終了してしまっては、360度評価の目的である「人材育成」「人事評価に対する社員の納得感向上」につながりません。

なぜそのような評価となったのか、何があればもっと良い評価となったのか、どういう点が良かったのかなど、フィードバックとフォローを丁寧におこない、納得感を高めるための行動を取る必要があります。また、フィードバックをおこなうだけでなく、その後の成長に着実に繋げてもらうための支援も必要です。

フィードバックとフォローをおこなう際は、伝え方にも気をつけるようにしましょう。
とくに、良くない評価がついてしまった場合には被評価者が落ち込みやすいため、欠点や課題を伝えるだけでなく、ポジティブな内容もフィードバックすることが大切です。

ポイント④|評価項目・設問は少なめに設定する

評価項目と設問は少なめに設定することも、360度評価を運用する際のポイントです。

項目数や設問数を抑えることで、作業負担の軽減につながります。評価項目や設問のボリュームに関しては、1人の被評価者に対して15分~20分程度で終わるように設定するのが1つの目安です。

評価項目と設問の内容を、明確でわかりやすいものに設定することも大切といえるでしょう。評価基準が曖昧であると、主観が評価に反映されやすくなり、評価のバラつきが生まれやすくなってしまいます。
360度評価では評価者が多岐にわたるからこそ、評価者の主観を極力排除し客観的な評価ができる仕組みでなければいけません。

評価者によるバラつきや作業負担を最小限に抑えるため、評価項目と設問はなるべく少なめに設定するようにしましょう。

ポイント⑤|360度評価結果に基づきPDCAをまわす

360度評価を運用する際には、フィードバック内容についてのPDCAをしっかりと回すことも大切です。

前述のとおり、たとえ良質なフィードバックを提供できても、それを受けた本人が行動に移さなければ業務の改善や本人の成長は見込めません。評価を受けた被評価者には、フィードバック内容に基づいて、以下のPDCAを考案させ、実践してもらうようにしましょう。

  • P「Plan(計画)」→D「Do(実行)」→C「Check(確認)」→A「Action(実行)」

また、PDCAサイクル自体のクオリティも360度評価の運用に大きく影響を与えます。PDCAのサイクルがただのルーチンとして形骸化してしまっては、全く意味がありません。都度面談をおこなうなどして、臨機応変な対応と併用していくことも重要です。

業務改善に役立つ手法として汎用的な「PDCA」を意識して取り組むことで、360度評価においても運用の質を高められ、失敗を避けやすくなります。

ポイント⑥|360度評価はトリム平均を用いる

360度評価においてトリム平均を活用することも、運用で成果を出すためのポイントです。

トリム平均とは、外れ値を取り除いたデータに対して、算術平均を適用する手法を指します。最大値と最小値を取り除いて算術平均を求める方法です。
トリム平均では異常値を取り除けるため、評価者の好き嫌いや特別な主観を極力排除した値を出しやすくなります。

360度評価は、多面的な評価をするだけのものではなく、コンピテンシーを明らかにするために必要なものでもあります。コンピテンシーの明確化においてはトリム平均を用いるのが一般的であるため、360度評価においても有益です。

トリム平均を用いることでより客観性が高められ、評価のムラを抑えられるため有効に活用していきましょう。


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まとめ

360度評価は、上司だけでなく部下や同僚からも評価を受ける評価制度です。360度評価の導入にはいくつかの注意点があり、適切な対策を講じなければ失敗に終わってしまう可能性があります。

しかし、本記事でご紹介したポイントをしっかりと押さえれば、評価に公平性や客観性を持たせると同時に、人材育成の効果も期待できます。導入の際には、JNDに基づいた評価基準設定を意識したり、社内周知を徹底したりするなどして、成功のために必要な行動を取るようにしてみてください。
そうすることで、360度評価ならではの価値をしっかりと享受できるでしょう。

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記事監修

前田 正彦(まえだ まさひこ) 株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO
前田 正彦(まえだ まさひこ)
株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO

慶應義塾大学経済学部卒業。米国マサチューセッツ工科大学経営大学院(Sloan School of Management)修了。株式会社前田・アンド・アソシエイツ代表取締役(現職)。
株式会社NTTデータにて金融システムの開発に携わった後、 数々のコンサルティングファームにて、戦略立案から実行・定着までのプロジェクトを数多くリードしてきた。
その後人事・組織コンサルティングの必要性を痛感し、当該分野のプロジェクトを立ち上げ、戦略から人事・組織コンサルティングまで一貫したサービスを提供している。
スキルアカデミーにおいては、代表取締役CEOとしてAI人事4.0事業全体の推進をリードするほか、組織・人事・人材開発などの案件を数多くリードしている。
また組織診断・管理特性、職務等級制度・成果報酬制度などツールを開発。グローバル人事プロフェッショナル組織であるSHRM認定資格を取得。

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