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リーダーに必要な要素とは?12のスキル・資質と求められる役割を解説
2024/8/6
チームが目標を達成するためには、先頭に立ってメンバーを引っ張っていく「リーダー」の存在が欠かせません。優れたリーダーはメンバーの能力を高め、高い成果をあげるチームを作り出すことができます。
この記事では、リーダーに必要な要素と求められる役割について解説します。
また、下記の記事では「ダメな組織」「ダメなリーダー」の特徴と対処法をご紹介しております。あわせてご覧ください。
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リーダーとは?
リーダーはチームの先頭に立ってメンバーを牽引していかなければなりません。そのためには、リーダーにはどのような要素が求められるのでしょうか。ここではリーダーに必要な要素である12のスキル・資質を紹介します。
リーダーとマネージャーの違い
リーダーは目標達成を目指すうえでチームや組織を先導する役割を担います。一方、マネージャーには業務を円滑に進める役割があり、日々の業務や計画の進捗、目標の達成度合いといったプロセスを管理します。つまり、チーム内で担う役割にそれぞれ違いがあるのがポイントです。
リーダーに必要な要素
リーダーはチームの先頭に立ってメンバーを牽引していかなければなりません。そのためには、リーダーにはどのような要素が求められるのでしょうか。ここではリーダーに必要な要素である12のスキル・資質を紹介します。
コミュニケーション能力
メンバーとの信頼関係を築くためには円滑なコミュニケーションが不可欠です。自分の意見を伝えるだけでなく、メンバーからの意見も柔軟に取り入れ、周りとの協調を図ることが大切です。また、コミュニケーション能力の高いリーダーは、メンバー同士のコミュニケーションを活性化させ、チーム内の連携を強化していくことができます。
EQ(心の知能指数)
EQとは「Emotional Quotient」の略称で、日本語では「心の知能指数」と意訳されます。自己と他者の感情を理解し、適切に対応していく力のことです。高いEQを持つリーダーは、自分の感情をうまくコントロールし、相手の目線に立って物事を考えられる人です。メンバーの気持ちを察知してよりよい方向へ導き、チーム内の人間関係を円滑にすることができます。
ビジョン設定・浸透スキル
ビジョン設定・浸透スキルとは、メンバーに明確なビジョンを示し、目標達成に向かってチームを同じ方向に導く力です。ビジョンをチーム全体に浸透させるためには、リーダーがメンバーに向けてくり返し発信することが大切です。一人ひとりが共通のビジョンを持ち、それを成し遂げたいと強く望むことで、チーム一丸となって目標達成へ突き進むことができます。
メンバー育成能力
リーダーに求められる育成能力とは、メンバー個々の能力を評価し引き上げ、チーム全体のパフォーマンスを向上させる力です。チームとして活動するうえでは、リーダーや特定の個人の能力に依存するのではなく、一人ひとりの能力を高めていくことが重要です。あわせて、リーダーが不在になるときも、他のメンバーで業務を滞りなく遂行できるよう、リーダーの代わりとなる人材も育成しておく必要があります。
エンパワーメント(権限委譲)
ビジネスにおけるエンパワーメントとは「権限委譲」を意味する言葉で、上司が担う業務の一部を部下に渡し、自律的・主体的な行動を促すことをいいます。チームのパフォーマンスを高めるためには、リーダーだけが仕事を引き受けるのではなく、メンバーに任せることも重要です。その際はフィードバックやサポートを適宜実施し、メンバーの仕事が円滑に進むように働きかけましょう。仕事を任せることでメンバーの成長を促進し、ひいてはチーム全体の成長につながっていきます。
問題解決スキル
問題をいち早く把握し、根本原因に対して効果的な方法を明示し、解決に導いていくスキルです。イノベーションを起こすような斬新な解決策は、制約された環境下であればあるほど生まれやすいといわれています。ビジネス環境が目まぐるしく変化する状況下では、これまでの固定観念を覆すような創造的なアイデアが求められることもあります。優れたリーダーには創意工夫の力があり、日々変化する中でも状況にあわせて柔軟な行動をとり、チームを目標達成に導くことができます。
決断力・実行力
難しい局面や時間がない状況下では、リーダーの決断力が求められます。複数の選択肢から、冷静に状況を判断して決断を下し、メンバーを引っ張っていく力が必要です。決断が必要な場面でリーダーがいつまでも迷っていては、機会損失につながる可能性も出てきます。リーダーが責任をもって判断し、決定した事項を確実に実行して成果を上げることで、メンバーからの信頼を得ることができます。
洞察力・先見性
メンバーの適性を見抜き、個々が能力を発揮しやすいように適材適所の配置をおこない、チームパフォーマンスを強化させるスキルです。洞察力のあるリーダーは、メンバーの異変をいち早く察知し、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。また、何かが起こる前にそれを見抜く力、先見性もリーダーに必要なスキルの一つです。広い視野を持って状況を的確に把握したうえで、これから起こり得るリスクを予測し、適切な対策を通じて損害を最小限に抑える力が求められます。
責任感・誠実性
リーダーは自らの行動に責任をもち、問題が発生した場合も誠実に対応することが求められます。また、チームの方針やメンバーの役割など決定したことに対して、説明責任を果たしていかなければなりません。トラブル発生時におけるリーダーの態度や対応によっては、メンバーに不信感を抱かせてしまうこともあります。責任をもってチームを牽引していく姿勢が、メンバーとの信頼関係の構築につながります。
ストレス・プレッシャー耐性
リーダーとしてチームを主導する過程では、会社の理解が得られない、メンバーのパフォーマンスが上がらない、目標達成が難しいなど、困難な状況に陥ることもあるでしょう。こうしたストレスを深刻に捉えすぎず、ポジティブに対応できる力も、リーダーが身につけておくべきスキルの一つです。ストレスやプレッシャーがある中でも冷静かつ前向きに対応し、チーム全体のパフォーマンスを維持することが大切です。
情報収集力・学習能力
リーダーに必要な要素として、最新情報やトレンドを収集し、時代の変化に適応していく力も挙げられます。このとき、膨大な情報の中から正確な情報を選び取り、問題解決に必要な情報を見極める力が求められます。
収集した情報は惜しみなくメンバーに共有することで、チーム全体のパフォーマンス向上につながっていきます。また、リーダー自身が常に学び続けることは、自らの知識とスキルアップになるメリットもあります。
モチベーション管理能力
優れたリーダーは、チーム全体のモチベーションを維持し、メンバー一人ひとりの力を発揮させる能力があります。メンバーのモチベーションが高まると、業務に対して意欲的に取り組むようになり、業務効率と生産性の向上につながります。これによりチーム全体の士気も高まり、目標達成に向けてより一層一丸となって取り組むことができます。
リーダーに求められる役割
チームや組織において、リーダーには以下のような役割が求められます。
チームのビジョン・目標設定
リーダーはチームや組織の方向性を明確にし、ビジョンや目標を設定する役割があります。チームとしての方向性を示すことはメンバーに安心感を与え、自律的な行動を促すことにもつながります。リーダーが責任をもって浸透させ、チーム全体で共通のビジョンや目標を持つことが大切です。
チームの組織化・マネジメント
メンバーの業務内容やレベルを把握し、適切に業務を割り振ることもリーダーの主要な役割の一つです。あわせて、チーム内でフォローし合う仕組みを構築し、何かあっても互いに助け合える風土を醸成することが重要です。リーダーはメンバーを育成しつつ、チーム全体のパフォーマンスを強化する役割を担っています。
チームの目標達成
リーダーである以上、チームを目標達成に導くことは必須です。チームの目標を達成させるためには、メンバーと積極的にコミュニケーションをとり、必要に応じて働く環境を整えていくことが大切です。また、リーダー自らが見本となって業務に取り組む姿勢を示すことが、メンバーのモチベーション向上につながります。
メンバーの育成・モチベーション管理
リーダーは、メンバーの業務レベルやモチベーションに応じて、必要なアプローチをおこなう必要があります。次のキャリアパスを示しながら、メンバーそれぞれに適切なフィードバックをおこない、個々のスキルアップと成長を促していきます。メンバーが意欲的に業務に取り組める環境を整え、高い成果を出せるチームをつくりましょう。
まとめ
リーダーとは、チームや組織を目標達成に導くために、メンバーの力を引き出す存在です。チームの統率者・指導者として、メンバーを育成するとともに、チーム全体のパフォーマンスを最大化させる役割を担います。
リーダーに必要な要素としては、コミュニケーション能力や問題解決スキル、決断力・実行力などがあり、学習や経験を通じて身につけることができます。リーダーの育成に課題を感じている場合は、企業が提供する研修サービスを活用するのも有効な選択肢となります。本記事で紹介したリーダーに必要なスキル・資質を参考に、成果を出せるリーダーの育成に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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記事監修
- 前田 正彦(まえだ まさひこ)
- 株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO
慶應義塾大学経済学部卒業。米国マサチューセッツ工科大学経営大学院(Sloan School of Management)修了。株式会社前田・アンド・アソシエイツ代表取締役(現職)。
株式会社NTTデータにて金融システムの開発に携わった後、 数々のコンサルティングファームにて、戦略立案から実行・定着までのプロジェクトを数多くリードしてきた。
その後人事・組織コンサルティングの必要性を痛感し、当該分野のプロジェクトを立ち上げ、戦略から人事・組織コンサルティングまで一貫したサービスを提供している。
スキルアカデミーにおいては、代表取締役CEOとしてAI人事4.0事業全体の推進をリードするほか、組織・人事・人材開発などの案件を数多くリードしている。
また組織診断・管理特性、職務等級制度・成果報酬制度などツールを開発。グローバル人事プロフェッショナル組織であるSHRM認定資格を取得。