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人材育成で大切なこと5つ!優秀な人材を育て組織を次のレベルに押し上げる手法

人材育成で大切なこと5つ!優秀な人材を育て組織を次のレベルに押し上げる手法
  1. 人材育成で大切な5つのこと
  2. 人材育成は階層ごとに異なる教育をすることが大切
  3. 人材育成で必要な3つのスキル
  4. 人材育成で大切な3つの考え方
  5. 人材育成に使えるフレームワーク・理論
  6. まとめ

人材育成は、企業にとって重要な経営課題のひとつです。
しかしながら、「社員が思うように成長してくれない」「育成に時間がかかってしまう」といったお悩みも度々耳にします。

一刻も早く優秀な人材を数多く生み出したい気持ちとは裏腹に、人材の育成は思うように進まないものです。

総務省が2021年におこなった調査「人材育成等に関する調査結果概要」では、調査に参加した団体のうち、人材育成に課題を抱いていると回答した団体の割合は、以下の通りでした。

人材確保・人材育成における諸課題について(1)

「新規・若⼿職員育成」に課題を感じていると回答した団体は計97.8%、「管理監督者育成」は計93.9%、「各階層の⼈材育成」は計91.2%でした。過半数の団体が人材育成にさまざまな課題を抱いていることがわかります。

東京商工会議所の「企業における 採用・人材育成・教育支援に 関するアンケート調査結果(2021)」においても、「多忙によって人材育成の時間がない」「上長等の育成能力および指導意識不足」といった声が目立ちました。

本記事では、こうした課題の解消に向けて、人材育成で成果を出すために大切な考え方や必要なスキル、今すぐ使えるフレームワーク・理論などについて解説します。こちらの記事を読むことで、成果の出る人材育成をおこなえるようになるはずです。

出典:人材育成等に関する調査結果概要 | 総務省
参考サイト:企業における 採用・人材育成・教育支援に 関するアンケート調査結果(2021)|東京商工会議所

人材育成で大切な5つのこと

人材育成で大切なことは、以下の5つです。

  • 人材育成の目的を明確化する
  • 挑戦しやすい環境を作る
  • 責任の伴う仕事を振る
  • 経営層とも連携する
  • 指導者の育成にも取り組む

これらの詳細について、解説していきましょう。

人材育成の目的を明確化する

人材育成の目的が曖昧だと育成の効果が薄れるため、まずは目的を明確にすることが重要です。

技能や技術、ノウハウ、商品、ビジネスモデルなどにおける「自社の強み」を明らかにし、その強みを伸ばす方向で人材育成の目的を考案するとよいでしょう。自社ならではの強みを伸ばすことで、変化の激しい社会においても、競合他社との差別化を図れます。
社員一人ひとりに対しても、その共通意識のもと指導・教育することで、社員のスキルや意識向上、ひいては自社の成長にもつながるでしょう。

挑戦しやすい環境を作る

挑戦できる環境がなければ、せっかくの教育・研修も意味のないものになってしまいます。社員が挑戦しやすい環境を作ることが大切です。

どんなに素晴らしい研修をおこなっても、研修後に社員がその学びを現場で実践できなければ研修は形骸化してしまいます。

挑戦しやすい環境を作る上で効果的なのが、ミスに寛容な職場を作ることです。ミスに否定的な環境では社員が萎縮し、挑戦しづらくなってしまいます。

また、社員への制約を減らすことも、挑戦しやすい環境作りにつながるでしょう。制約が少なくなれば、社員は自由に行動しやすくなります。不要なルールをなくしたり、前例にとらわれすぎないように啓蒙したりすることで、社員が動きづらい状況を減らせるのです。

責任の伴う仕事を振る

社員が責任の伴う仕事にチャレンジすることも、企業を成長させるための人材育成において重要です。社員には、ある程度自由に動きやすい環境を与えつつも、責任ある仕事をどんどん任せるようにしましょう。

責任が伴う仕事を振られた社員は、適宜上司や同僚の意見を参考にしつつも、最終的には自身で局面ごとの判断をくだし、その結果に責任を持つ必要があります。こうした経験を増やすことで、決断の質が上がり、責任感が向上します。自分で考え対処する力も伸びるでしょう。

社員は、自身の業務品質が周囲や会社に強く影響を与える経験を通して、自分のスキルを伸ばすこととの重要性を痛感します。目標達成に向けてより意欲的に取り組めるようにもなるでしょう。

指導者の育成にも取り組む

人材育成においては、指導を受ける側の部下だけでなく、管理職やOJTトレーナーなど指導する側の育成にも注力することが重要です。

管理職やOJTトレーナーの指導力を向上させる方法としては、指導者向けの研修や講義へ参加してもらうことなどが挙げられます。さまざまな業務において部下・後輩への指導を積極的に任せるのもよいでしょう。

指導者は、日々の業務に忙殺され指導が疎かになりがちであるため、経営や人事サイドが指導者のサポートをすることも大切です。指導する側の業務量を調整することで、指導にも時間を割きやすくなります。人材育成の意義を教育すれば、指導のモチベーション向上も期待できるでしょう。

経営層とも連携する

人材育成で成果を出すためには、経営層や部門責任者との連携を強めることも大切です。

企業のミッションやビジョンを育成内容に反映するためには、企業内でミッションやビジョンに最も精通している経営層からのサポートが必要となります。経営層と人材育成の方向性について話し合う機会を設けるなどし、経営層と人材育成部門の双方で、人材育成についての共通認識を築きましょう。

社内の一部門のみにミッションやビジョンが浸透しているだけでは不完全です。全社員が同じ意識を持てるよう、部門間の連携を強めることも重要といえます。

人材育成は階層ごとに異なる教育をすることが大切

社員の階層は大きく「新入社員」「中堅社員」「管理職」に分けられますが、階層ごとに効果的な人材育成方法は異なります。

詳細について解説しましょう。

新入社員の育成で大切なこと

新入社員の育成においては、まずビジネスマナーの習得や自社の経営理念などに対する教育が先決です。

ビジネスマナーの教育は、社会人としての意識を育みます。上司や取引先との関係性においても重要な役割を持ち、あらゆる場面で求められるものです。
経営理念の教育は、新入社員がどのような方向性で成長をし、何に注力していけばよいかの道しるべにつながります。

これらの教育が終了した後には、組織や活動についての全体像を理解してもらいましょう。その上で、実務面において必要な知識・スキルの習得や、メンタル面のサポートなどをしていきます。

以上の流れで新入社員育成をおこなうことで、ビジネスの基礎や基本がしっかりと身についた社員へと育つことが期待されます。

中堅社員の育成で大切なこと

中堅社員の育成においては、自身が組織の中枢を担っていくことへの自覚を持たせたり、育成担当者としてのスキル向上をサポートしたりすることが重要です。

中堅社員としての意識を高める上では、役員や管理職による意識面の研修や個別面談が効果的といえます。育成担当者としてのスキルを伸ばす方法は、部下の育成に関する研修実施やeラーニングの受講、OJTで実際に指導をしてもらうことなどが有効です。

中堅社員は、業務や会社への慣れによる効率ダウンや、モチベーション低下も発生しやすい時期でもあります。それらの防止に向けてサポートすることも、必要です。

管理職の育成で大切なこと

管理職は、プレイヤーよりもマネージャーとしての役割が強くなります。
管理職の育成においては、経営戦略や高度な組織論などについて教えたり、チームを取りまとめる能力向上のサポートをしたりすることが重要です。

経営戦略や組織論については、経営層による研修の実施や、外部研修への受講などが効果的でしょう。マネージャーとしての能力を高める上では、マネジメントや公正な人事評価方法についての研修が有効です。

昨今ではハラスメントへの意識も高まっているため、ハラスメントに関する教育をおこなうことも大切です。

人材育成で必要な3つのスキル

人材育成では、以下の3つのスキルが必要です。

  • 観察力
  • コミュニケーションスキル
  • 思考力

詳細を解説していきます。

観察力

人材育成において必要なスキルのひとつが、「観察力」です。社員一人ひとりをしっかりと観察し、それぞれの社員における性格や課題の違いを掴むことで、社員ごとに適切な接し方ができるようになります。

社員が普段おこなっている仕事や業務態度、言動をしっかりと観察することで、社員ごとの特徴を掴めるようになるでしょう。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、人材育成においても必要不可欠です。質の高いコミュニケーションをおこなうことで、仕事について深く理解してもらいやすくなったり、仕事への意欲を高められたりします。

人材育成におけるコミュニケーションでは、トップダウン形式でノウハウを教える「ティーチング」と、対象者との対話を通じて能力向上を図る「コーチング」を使い分けることが重要です。

業務経験の浅い新入社員には、自分で考えさせるコーチングよりも、ティーチングが効果的です。すでに標準的な業務能力のある中堅社員には、一方的に教えるティーチングよりも、自分で答えを見つけてもらうコーチングが有効となります。社員のキャリアや特性に合わせて使い分けましょう。

思考力

人材育成においては、自分で物事の原因や課題を見つけ解決策を模索する「思考力」も重要なスキルです。

思考力における代表的なスキルとしては、「クリティカルシンキング(批判的思考)」と「ロジカルシンキング(論理的思考)」が挙げられます。

クリティカルシンキングは、物事の前提を疑い、新たな視点で物事をとらえる際に役立つ思考法です。ロジカルシンキングは、物事の原因と結果を明瞭にとらえる際に有用な思考法を指します。

思考力を育てることで、スキルの底上げが図れます。

人材育成で大切な3つの考え方

人材育成では、以下3つの考え方を持つことが重要です。

  • 長期的なスパンで育成に取り組む
  • 社員の自発性を促進する
  • 会社全体で人材育成に取り組む

それぞれ解説していきます。

長期的なスパンで育成に取り組む

人材育成は、短期的に成果が上がるものではないため、長期にわたって十分な時間とリソースを注いでいく必要があります。

社内で、長期的な取り組みが必要との共通認識を持ち、人材育成で実現したい最終的な目標達成までの期間を長めにとることで、挫折のリスクを軽減できます。

人材育成の手順や方法の具体化も必要です。これらが曖昧であると、現場の育成担当者が育成に取り組みづらく、他の業務に忙殺されていることなどを理由として、人材育成に時間を割かなくなるリスクが考えられます。

社員の自発性を促進する

人材育成を成功させる上では、指導を受ける側の自発性を育むことも重要です。

社員が自発的に学ぶ姿勢を持つことで、自身で考える力や学習する力などが身についていきます。その結果、教えられた内容の吸収力が高まるだけでなく、直接は指導していないスキルまでもが伸びていきます。

社員自身の成長意欲を促進するサポートとしては、書籍購入制度やeラーニングの導入、評価制度の見直しなどが効果的です。

会社全体で人材育成に取り組む

人材育成は、社内全体が取り組むことで、育成担当者が1人で尽力する場合よりも、人材の成長スピードが速くなります。

社内で人材育成の体系が確立していると、育成に関するPDCAも会社全体の総力をあげておこなえるため、指導の質が高まるのです。

社員研修の形式には、多くの社員をまとめて教育する一社型の研修や、1名から利用できる公開講座、同じく1名から利用できて空いた時間に視聴できるeラーニングなどがあります。実施したい育成内容や人数に合わせて便利に活用をしましょう。(参考:リスキル

人材育成に使えるフレームワーク・理論

最後に、人材育成でも役立つフレームワーク・理論をご紹介していきましょう。
人材育成では、以下のフレームワーク・理論が有用です。

  • ギャップ分析
  • ベーシック法
  • モチベーション理論

それぞれ、詳しく解説していきます。

ギャップ分析

ギャップ分析とは、理想と現実の間にあるギャップを見つけ出すことで現在地点の確認をし、最終的な目標到達への解決策を模索するフレームワークです。人材育成だけでなくビジネスで幅広く使える、汎用性の高い分析方法といえます。

ギャップ分析は、以下の順序でおこないます。

  1. 理想(ゴール)を明確化する
  2. 現状を整理する
  3. 理想と現実の差を書き出す
  4. その差を解消する解決策を書き出す
  5. 実行する

ステップ3〜4において、理想が高すぎる故にギャップを埋めることが非現実的であるとわかった場合には、理想を現実に即して微調整することも効果的です。

ベーシック法

ベーシック法は、目標を立てる際に役立つフレームワークです。ベーシック法では、達成するために必要な行動順序を明らかにできるため、目標を達成しやすくなります。

ベーシック法は、以下の4つのステップで目標を立てていきます。

  1. 目標項目:達成したい目標を決める
  2. 達成基準:どのレベルに達すれば目標到達をみなすのかを定める
  3. 期限設定:「〇月までに目標を達成する」といった期限を決める
  4. 達成計画:必要な行動や順序を具体的に書き出す

モチベーション理論

モチベーション理論は、対象者の意欲を高めたいときに役立つ理論です。
人のモチベーションは、外部からの刺激を受けて行動が左右される「外発的動機付け」と、自分の内部からわきあがる感覚によって行動が左右される「内発的動機付け」があります。

外発的要因の要素:金銭や報酬、評価、感謝など外部から与えられるもの
内発的要因の要素:「自分がやりたいからやる」という自由な気持ちや、自己決定感など

どちらもモチベーションを高める効果はありますが、内発的要因のほうが安定的にモチベーションを維持できるといわれています。内発的動機付けを生み出す上では、コーチングのような対話を通して本人に仕事への意義を見つけもらったり、自己判断し決定する機会を設けさせたりすることが効果的です。

まとめ

人材育成では、人材育成の目的を明確にすることや、社員が挑戦しやすい環境を整えることなどが大切です。すべての社員に同じ教育をするのではなく、各社員の経験年数や役職にマッチした教育を施すことも重要といえます。

人材育成で必要な考え方やスキルを身につけ、フレームワークや理論を活用することで、人材育成においてより成果を出せるようになるでしょう。

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記事監修

前田 正彦(まえだ まさひこ) 株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO
前田 正彦(まえだ まさひこ)
株式会社スキルアカデミー 代表取締役CEO

慶應義塾大学経済学部卒業。米国マサチューセッツ工科大学経営大学院(Sloan School of Management)修了。株式会社前田・アンド・アソシエイツ代表取締役(現職)。
株式会社NTTデータにて金融システムの開発に携わった後、 数々のコンサルティングファームにて、戦略立案から実行・定着までのプロジェクトを数多くリードしてきた。
その後人事・組織コンサルティングの必要性を痛感し、当該分野のプロジェクトを立ち上げ、戦略から人事・組織コンサルティングまで一貫したサービスを提供している。
スキルアカデミーにおいては、代表取締役CEOとしてAI人事4.0事業全体の推進をリードするほか、組織・人事・人材開発などの案件を数多くリードしている。
また組織診断・管理特性、職務等級制度・成果報酬制度などツールを開発。グローバル人事プロフェッショナル組織であるSHRM認定資格を取得。

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